1.法人設立
日本法人の台湾支店
台湾国内において営業活動を行う場合には、その拠点となる一つとして、支店を設立することが考えられる。
支店の特徴としては、原則として本店の営業範囲の行為に限定される。法律上は本店と同一法人扱いとなる。
支店の申請〜設立までの必要書類
項目 | 部数 | 公証人の認証 | 台北駐日経済文化処 |
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会社登記簿謄本 | 1部 | 要認証 | |
定款のコピー | 1部 | 要認証 | 要認証 |
支店設立及び支店長任命に関する取締役会議事録 | 1部 | 要認証 | 要認証 |
台湾支店の訴訟又は非訴訟事件代表人(法定代理人)決定に関する授権書 | 1部 | 要認証 | 要認証 |
取締役、監査役全員の職務、国籍、氏名、住所のリスト | 1部 | ||
支店長及び経理人のパスポートコピー | 1部 | ||
委任状(台湾で申請手続する代理人に対する委任状) | 1部 | 要認証 | 要認証 |
支店設立資金の送金通知書と外貨買取証明書 | |||
日本政府の許認可を有している場合、その許認可書のコピー | 1部 | 要認証 | 要認証 |
事務所の賃貸契約書 | 1部 | ||
登記住所(事務所)の建物使用ライセンスのコピー、建物税金(房屋税)の直近年度分納付証明書 | 各1部 |
支店の申請〜設立までの流れ
STEP01 | 約3日間 | 支店予定名称と営業項目の予備審査(経済部商業司) |
STEP02 | 日本での準備日数 | 台湾支店申請必要な書類の作成と書類の認証作業 |
STEP03 | 約7日間 | 外国会社の認可申請(経済部商業司) |
STEP04 | 約4日間 | 支店資金送付の通知書の取得 |
STEP05 | 1日~2日間 | 日本から台湾へ運営資金のための準備口座開設 |
STEP06 | 1日~2日間 | 運営資金の送金 |
STEP07 | 約3日間 | 送金通知書と外貨買取証明書の提出(経済部商業司) |
STEP08 | 約14日間 | 外国会社の認可取得(経済部商業司) |
STEP09 | 約14日間 | 支店設立登記の申請書の提出(経済部商業司) |
STEP10 | 約14日間 | 支店登記証の取得(経済部商業司) |
STEP11 | 1日間 | 税務署での税籍登記 |
STEP12 | 3日~4日間 | 英文社名の審査と輸出入商の申請(国際貿易局) |
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その他の留意事項
支店の設立については、台湾の会社法で設立要件が規定されている。
支店形態で生産や製造業を行なう場合には外国人投資条例(FIA)に基づく許可が必要となる。
FIAの支店はその投資の保障及び処理についてはFIA法人と同様の扱いになる。
台湾支店の設立は台湾の会社法で次の要件が規定されている。- 外国においてすでに会社が設立され、営業を行なっていること。
- 本国(本店)の定款の制約を受ける。但し、事業年度は本店と別に定めることができる。
- 他社への出資はできない。
- 台湾当局の認可を受けること。
- 台湾における支店の運営資金(運転資金)の持込が必要であり、この持込資金は本国より送金が必要。
- ネガティブ・リストに準じて業種により制限、要件がある場合がある。台湾支店の営業範囲は本社の営業範囲内に限る。
- 台湾支店の所得は日本の本店の所得に合算して日本の法人税及び住民税が課される。ただし、台湾支店の所得に対する台湾の法人税は日本の法人税及び住民税から控除できる(外国税額控除)。
- 台湾支店の傘下に更なる支店は設置不可である。全て本国(本店)の傘下に平行に複数の支店が帰属する。
- 台湾(海外含む)支店は法律上、本店と同一法人であり本店が支店の法律行為の責任が直接及びことになるデメリットがある。